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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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無間 前編
 秋の本の自分の短編ですが、前編概稿できました。
 で現状ですでに三万字、400字詰め原稿用紙で70枚以上になるんで、後半同じくらいの長さとして、これは一挙掲載は無理。前編、でいきます。量だけでなく、これと同じ量の後半を書いて、となると締め切りが厳しくて仕上げられそうにないですし。

 あとは仕上げ推敲、イラスト描き(これは以前書いたように挿絵でなくイメージラフなので、枚数も内容もそれほど縛りはないのでラク)。

 ここしばらく、シチュエーションやキャラ造型、ストーリーに力を入れていましたが、今回は責めと性描写一辺倒です。さらに以前からあまり重視していなかった、マニアックなSM的プレイも描き込んでいます。
 やるだけマンガ、やイラストはありでも、小説はそれだけじゃ成り立ちませんので、ただああしたこうしただけではないですが、それでも行為の描写に今までになくバランスが向けられていますね。これがいいのかどうか、「使える」のかどうか、よくわかりませんが、とにかくいろいろやってみないと、ってことで。

 もとから権威と愛の傘に守られたことのない見捨てられた子は、あっけないほど簡単に私のような人間の罠に堕ちる。知り合って二ヶ月で一線を越え、半年余りでからだの隅々を知るに至る。甘噛みや指や性器による下穴の蹂躙程度の痛みなら好んで求めるほどだ。口の中を私の汚れた唾液や精液で穢すことも。むろんまともに聞けば認めはしないが。
 傷つけられ、支配され、穢されることをも、空虚な心の穴ぼこに、きれいにはまるピースに、変形され(歪曲され)幸一の心とからだを、満たしてきた。すり替えにより自分が失い続けた母性や父性の空白を埋めるのだ。

 しかし私の側の淫らで狂った欲望は、もっと違った形をずっと求めてやまなかったのだ。
 青空のような幸福を台無しにするよりも、光の差したことのない闇を塗りつぶす方が心地よい。穢れなき高貴な血統よりも、生まれてきたことを呪うほどの血筋を、さらに泥にまみれさせケガレを自覚させるのだ。

登場人物

幸一

青山 ---医大大学院生。白面の美貌の若者。
赤城 ---巨漢の元自衛官。現警備員。三十代前半。
白瀬 ---画家もしくはイラストレーター。SM雑誌では知られた顔。五十歳前。
黒崎 ---私。翻訳業。比較文化論研究者。メディア評論家。四十歳。


 二十代から五十代までの「責め手」を登場させます。前編では黒崎の出番がかなり多く、白瀬氏は影が薄いですが、全編においては四人に順番にスポットが当たります。戯画的なキャラ属性が設定されているので、好みの人、年代に感情移入して楽しんでもらえればいいかと。
 幸一は五年生です。性格は読んでいただくということで、また体型は極力ぼかしていますので、好みの空想で楽しんでいただければ。僕の絵を挿絵にしなかったのはこれも理由の一つです。

拍手[0回]

 「気分はどうだ幸一?」
 幸一は言葉は出さず、ただ持ち上げた首を振って、それから私を涙ぐんだ目でまっすぐに見つめた。私の全身に鳥肌が、最高の音楽に惑溺しているときのような鳥肌が立つ。
 私はV字の赤い糸の下に人差し指を入れ、弦楽器を爪弾くように弾いてやる。
 「イッタ……ぁ……」
 やっと声を聞かせてくれたか。そのかわりあごが上がって顔が見えなくなった。
 ペニスを自力でしごいて、勃起させると、私は一歩前に出た。そこで私は足下の赤城に声を掛けた。
 「使ってばかりですいませんか」
 ローションのボトルを取ってもらい、私はそれを幸一の下腹部にどろどろと流した。それを広げ、アナルへ導き、自分のモノの先端も濡らして、一気に合体した。スムーズなものだ。しかし幸一の足の指先や片膝の動きが、痛みを物語っている。温かく柔らかく締めつけるこの空間。私は、根本まで入れた状態で、しばしその温もりをむさぼった。
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