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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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携帯小説 流行ってるってさ
 新聞やワイドショーでは本質を確実に外した分析をするので、彼らの要因分析を参考にはしないが、流行ってはいるらしい。

 「普段の話し言葉と同じ」「行間だらけ、下部が隙間だらけ、ほとんどセリフ」

 これらの特徴は、ある種のラノベ、というか典型的なラノベと同じではないのだろうか。

 俺は好きな推理小説や、純文学系で、未読のものが多すぎるので、特にラノベとカテゴリされるものに触手は伸びない。寿命があと三十年あっても、伸ばせないだろう。
 軽いものをバカにする気はない。漫画は大好きだ。
 ともあれ、実際のラノベを知らないので、典型的ラノベの把握はずれてるかもしれないことは、お断りしておく。

 声がかかって登録した携帯ノベルサイトだが、当初「ライトノベルガーデン」という仮のサイト名がついていた。さしたるテーマもなくエロや男同士の好みのカップリングの恋愛が楽しめればいいという「ボーイズラブ」ノベルも、大きくはラノベなのだろう。
 だが俺の文章は、装飾過多のつもりはないが、易しくもないし、セリフばかりでもない。自分では「オーソドックス」と「簡潔」「耽美的でクール」な表現を目指している。特に狙いがない限り変なことをしないトラディションを大切にしている。
 そのサイトで一番売れている小説の、立ち読み版を読んだが、いきなりあっさりと一目惚れしてエロに入るご都合主義はともかく、文章はこなれていて、不快感も違和感もない。むしろ練達であると感じた。

 実際の携帯小説の世界は、すでに多様性の海の様相を呈している。横溝正史のミステリも再評価されて携帯書籍化されていた。

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 もっとも流行っているものは、携帯小説発で、メディアミックスし、扱うテーマは少女の恋愛や不幸の物語だ。
 テーマそのものは正直言って一昔前の少女漫画と変わらないと思う。

 従って、携帯ならではの特性により、新しい小説スタイルがもたらされ、それがブームになっているのではない。
 コミック世代が購買力と家庭を持つようになり、コミック原作の映画やTVドラマが多数生まれたように、若者(特に女子高生から二十代の女性)文化の中枢の、携帯からスタートするメディアミックスは、彼女らをとらえるものでなくてはならない。
 そこでラノベが、持ち込まれた。これが今の携帯小説の流行と、その中での主潮をなすものの正体だ。
 
 携帯自体が新しい文体やテーマを小説界にもたらしたわけではないし、携帯書籍の世界そのものはすでに古典的名作も読めるようになっているのだ。
 新しいものを皮肉らずにいられない人たちがいるが、的外れの悪口というのは大変恥ずかしい。ワイドショーのしゃべくりの99%と、最近はゲンダイネットのニュース記事かな。恥さらしと同時に人を不愉快にするのをやめてもらいたいものだ。両者とも言葉の誤用や国語的に間違いだらけの文章、話も多い。
 まず自身らが小学校からやり直して、最低限の国語力を身につけてから、文章の軽さを小バカにしてみたらどうだろう。
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