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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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トップ絵更新 マルコ君
新春に合わせて交換しました。ギャラリー(PC)にもアップしたです。

 言わずと知れたマルコ君、て、まさか元ネタ知ってて誰だかわからなかったらショックですが。
 詐欺的な健全絵です。画像検索で誘導されてサイトの中身をみてショックを受けた場合、責任は取れません。でもトップに露骨なエロ絵もどうかと思うので。

 アナログペン入れの素材に選んで以来、興味が出て順次DVDを見ています。今10話台後半かな。
 作画もキャラクターもドラマも、本当によくできていますね。週一オビでこのクオリティには感服するしかない。絵の資料や勉強どころか、もうハマりこんで、恥ずかしながらしょっちゅう涙腺が。

 僕はリアルタイムでこれを見ていました。放送当時小学校低学年なので、マルコ君はお兄ちゃんですね(放送開始時8歳で、すぐに一年経ち、9歳で船出してなんと2年も苦難の旅を続けるようです)。
 ですので細部の記憶はありません。ただ当時からマルコ君は好きだったはずです。年を経てから、マルコ君はあの外見の印象から、おっとりおとなしめで優しく、黙って苦難に耐えるタイプだと思い込んでいましたが、さにあらずで、かなり意外でした。
 ラテン系の血も熱く、すぐに興奮し、怒って、笑って、泣いて、思い詰め意固地になり、それでいて計算高さがなく人には優しいタイプ。8歳の頃は人前で泣き叫びますが、長じては父親や少女に強がって、ベッドで「みんな嫌いだ!」とか言いながら涙を流す。
 アニメーションの男の子主人公のタイプでは(あまり最近のは知らないですが)、かなりユニークな個性でしょうね。三つも年上の友人がちんぴらの大人に向かって「これは俺のけじめなんだ」とやり合ってるとき、彼が先につかみかかっていくという、気の強さとあのビジュアルのギャップがたまりません。あらためて好きになってしまいました。

 おぼろげな記憶では、アルゼンチンに渡ったあとの展開は、こちらがつらくて見ていられないほど過酷だった気がします。ちょうどハイジの、良家の養女として暮らしたシークエンスあたりと同じで。今大人の目で見るとどうかなあ。
 今見ると、もしかして無理があったんじゃないかと思える一人旅への展開や動機づけ、マルコのわがままじゃなかったか、パパはあまりに身勝手で無謀(母を遠方に出稼ぎにだす、マルコを一人で旅に出す)じゃないか、とかいう疑問には、きれいに説明がついています。無論今の視点では違和感を感じる人もいるでしょうし、マルコが「みんなを踏みつけにする父さんの仕事なんか大嫌いだ!」と怒る気持ちに、僕も納得します。どちらかといえば。
 でも30年前、日本ではまだ出稼ぎはありきたりのことで、田舎では半年以上父親の方の顔を見ない子は、ざらにいました。今だって単身赴任はあります。これらの動機は自分たちが食っていくためです。マルコの父は貧民のための診療所を作ろうという使命感に燃えているわけですが、これが特に立派ではなく、だからって身の丈に合わない金を投入して、8歳の息子と母親の間を一年以上も切り裂くのか、電話もない時代に、とはなります。
 しかし食わんがための「個人的事情」なら、当時の貧しい世相から、このくらいのことは当然あり得ます。いなくなるのは父の方であるのが大半ですが。そして8歳や9歳の子に、事情をろくに説明してこなかったために、背伸びし大人の事情を慮ったりまた腹を立てたりする小さな息子とすれ違うとか時にまた心通じ合うとかいうのは、たぶん当時の世相から大人も共感を覚えたんじゃないか、というか、そういう世相を意識して話を作ってたんじゃないですかね。出稼ぎで半年に一度しか息子の顔を見られない父親は、「私やお前達と母さんは、三千里を隔て心結びあっているのだ」なんていうピエトロの言葉に、感じ入るものがあったんじゃないでしょうか。
 当節、仕事よりも家族を大切にする風潮が強まって、単身赴任だって、出世を度外視して蹴れるものなら蹴ろう、そういうのが軽々しくある会社はできるだけ避けよう、っていう考えの人も増えていると思います。僕もそっち側ですね。
 ただこの話は、ここまで述べた30年前の事情は意識しつつ観た方が、ストンと落ちると思いますね。時代が変われば常識が変わる部分です。社畜として家族より仕事と金で単身赴任よりは、ピエトロの身勝手な理想の方が現代的視点でも僕には納得できます。
 一方、マルコ君の持ってる「男の子らしさ」の魅力は、今も昔も変わらず普遍的なものです。さらに20年30年後はどうかわかりませんが。

 藤子さんが亡くなったあとも、単なる三流の二次創作でしかないものをオリジナルと言い張る新作ドラえもんなどの、安っぽい感動のための感動、実際の人間の暮らしと乖離した説得力のないドラマ、一見立派そうで、かっこよさそうで、やさしそうで、頼りなさそうで、そんな子はいはしないしいても魅力もないというような少年達。
 過去のものにこれだけの光輝が見いだせるならば、ため息をつきながらそんな垂れ流し創作物をチェックする手間もいらんでしょうな。


サンスター健康道場 薬膳 五穀のごはん

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