忍者ブログ
おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

中学生日記「誰にも言えない」感想
 放送日にでかけていたのと、うちにはDVDレコーダーもないってことで、友人に録画していただいたのが今日届いた。んで感想。

 一番最後の部室でちらっと映ってる、一人だけ目立って背の低いたぶん一年坊の設定の子がいい感じ。はっきり映るとどうだかわからんけど。あと、「罰ゲーム」される中2を後ろで羽交い締めしてる子がかろうじて範囲内かな。

 俺のショタアンテナとしてはそんなところ。

 シナリオはひどい。プロはこれでいいんだろうか。学芸会並。狙ってるんだろうか。やたら説明的なのは現役中学生をもターゲットにしてるということだろうけど、限度がある。主人公が「その音を聞くと俺ダメになる」とか、口走るくらいなら誰かに相談できそうなものだし、自覚できていれば音をきっかけに毎度フラッシュバックやパニックは起こらない。
 それから、性暴力の話題をするとき、保健の先生と彼女と担任とキャプテンまで一緒にいるのはどう考えてもおかしい。拓人君のプライバシーはズタズタである。
 あと、男性への性暴力をラジオで聴いて初めて知った女先生、あんた教職歴何年。テレビ見ないの? 職員会議はきいてないの? 文科省から通達来てるよ。研修もあるよ。テレビでマイケルジャクソンのニュース観てないの?
 などなど、他にもたぶんつっこみどころは多いと思うが、元専門職と心理学専攻としてがまんならない部分をあげてみた。

 ついでにやっぱり小説書いてると「作り手」としてみちゃうよね。商業商業もなんだけど、甘いよなこの脚本。
 それと、軽薄な口調のDJを使ってみたり、教室のおちゃらけシーンを入れてみたり、ターゲットの中学生に「おもねる」感じがかなり不愉快だ。しかも実際の中学生とはかなり乖離しているようである。ゲイを友達にカミングアウトしてる中学生だっているんだよ?

 演技は主人公の彼女役と女先生は上手だけど、あとはひどい大根だ。これも大げさなのは演劇風味なんだろうか。

 こんなサイトをやっていると、もっとひどい性虐待に遭った人の体験談は多く聞くし、実際トラウマでショタになった(あくまで一つの要因だけれども)のではないかと思える人もいた。
 ついでにかく言う俺、中高生の頃はかなりの加害者だったなw

 先日の11~15歳までずっとやられ続けていた少年なら、かなりのトラウマに苦しめられるだろう。
 しかし、こんなモテモテ人気者の勉学優秀スポーツ万能の子なら、逃げ場が多すぎてさぞかし気楽だろうと思う。確かに、「やられたことの程度より本人がどの程度傷ついているか、どう受け止めているか」が重要だというメッセージは納得できる。しかし実際に苦しんでいる子の多くは、他のことでも自分に自信が持てなかったり、もともと心を開いて話せる友達がいないからつけこまれたりするんじゃないだろうか。だからこそ余計に泥沼にはまるんじゃないだろうか。

 物語に一般性と重いメッセージを持たせるためには、もっと「弱い子」を主人公にする必然性があった。ここをはずしている時点で、あらゆる意味で何の価値もないドラマになってしまったと言えるだろう。

拍手[0回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック