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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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御堂こぼれ話③ 構想と現実(思い切りネタバレあり)
 このような文章を書いて、どの程度興味のある人がいらっしゃるのか疑問だし、そもそも文章屋は自作について語るべからずという論もあるようだ。しかしブログってのは独り言的なものもアリだと思うし、自分の覚え書き的意味もこめてこのシリーズを綴る。

 「御堂」を書き始める前、というよりよし書き出そうという段階では、長さは夜想と同じ程度を想定していた。主役は少年漫画主人公的元気者のサッカー少年。これは俺がリアルでどっちかというと惹きつけにくいwタイプで、今まで描いたことがなく、新たな挑戦だった。そして大人しく嗜虐心をそそる裕は、太郎やリョウと、無論同じではないが共通項のある俺のおなじみキャラ。責め手は手に禍々しい傷のある「美少年」でこれは少女マンガやいわゆるBoysLove的な造型を目指した。そして、リトルホーネットの原田のようなsaint的大人キャラが猪瀬。清家を中心にしたグループに二人が地獄に落とされ、裕の自殺未遂をきっかけに純也の怒りと闘志に火が点き、猪瀬の力で父とともに秀一が滅び、学園が閉鎖になり、ハッピーエンド。
 つまり、構想段階では、泰山はおろか将大もいない。紅林らも「四人組」と考えていただけで、どのような個性をつけるかも考えていなかった。■2■を読んでいただければわかると思うが、村原と宮下については名前と学年しか描写がない。漫画的にそれぞれのキャラがたつように描きわけようと思っていただけで、この時点では清家が「冷酷、美形、スリム」。紅林が「下劣w、おやじ顔、柔道体型」くらいしか考えていなかった。涌坂についてはとある漫画のキャラをモデルに「悪徳教師」を出そうと思っていただけで、ただの悪役の予定だったのである。

 ……そんないい加減な、と思われたことだろうw しかしプロの世界はもっといい加減なのが実情らしいぞ。

 俺の場合、隅々まで考えているといつまでたっても書き出せないのと、書き出しさえすれば、ノッてくるとキャラが勝手に動いてくれるところもあるので、長編はわざと適当な構想で書き出す(ただ破綻しないようにラストはきちんと決めておく。しかしこれも、書いてるうちに変わることがある)。御堂の場合は実にキャラがよく動いてくれたのだ。

 で、まず純也と裕の「平穏な日々」を描くのに、「学園の歪んだ雰囲気」に毒されていない友人が必要だったので、将大を出した。彼にはモデルがいるが、純也、裕との描きわけも考えておでぶさんにした。詳しくは、個々のキャラについてまた別の稿で述べるので略。涌坂は、なぜ清家と一緒に「悪さ」をはじめたか、をうまく説明するために、過去に因縁があることにしようと考えた。書いてる途中に、将大の人気wが高いことがわかり、それならストーリーに深く絡ませようと考えた。裏設定を表に出し、クライマックスの「被害者」の中にいれる。そうすると、やられる子が二人より、幅が出ていろいろ書ける。トライアングルにしにくい三人なので、将大とかばいあうようなキャラが必要だ……。
 てな具合に、芋づる式、という表現が妥当かどうかわからないが、構想がどんどん広がっていった。

 ただ、書いているうちに、ショタエロを求めてこのサイトに来るお客さんに、この複雑な人間模様やストーリー性は必要なのか、悩んだ。今のアンケートを見ていると、連載終了直後ということはあるにしても、高く評価していただいているようで、よかったが、書いている時は、自信はなかった。
 まあ最終的には、無料の、俺のサイトなんだから俺のやりたいことをやって、共感して下さる方が少しでもいればいいや、と、いつもの開き直りで、書き進めたわけである。

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