忍者ブログ
おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

山田悠介
 「レンタルチルドレン」の作者です。萌え内容を予測させておいて裏切りやがって……w
 というのはさておき、純粋によく売れているということ以外で、この方文章の稚拙さにおいてかなり評判らしいですね。

 僕は実は、ちゃんと読んだことありません。期待できそうもないし、気力と時間があれば他のことをしますよ、ということで。

 ただ、いくつか抜粋して指摘されているおかしな文を読むと確かに気持ち悪くて、時々意味不明のところもあるので、自費出版ならではの出世、今風の人だなあ、と思います。

 一番気持ち悪いのは助詞や活用語尾が明らかに間違ってるやつ。
 
 人々の歓喜とため息が交差している中、首相官邸内の閣議室では、ある結論が出ようとしていた

 全体的に駄文である中、日本語にしようとするなら、せめて「結論が出されようとしていた」です。

 二人の大学生が海で行方不明になった事件はこの時期にはよくあることで、視聴者も「またか」ぐらいしか思わない。

 ねじれてないだけましだが、実はこの前段で二人が行方不明になったことは書かれている。従ってくどい。かつ、「なった事件」としてしまうと、特定の事件を指してしまう。
 何とかするなら「このような行方不明事件はこの時期にはよくあることで」くらいか。

 ただし特定の時期に行方不明事件が多発する国というのは日本以外でもよくは聞かない。

 その他、猛暑で各地の海岸が海水浴客で賑わっている中サラリーマンは汗を流して道ばたを歩いているというような描写があるが、賑わうほど海水浴客が来るのは、一般的なサラリーマンの休日である。そんな日にも汗水垂らして働いている人はあるが、それはむしろ特殊な勤務形態か残業づけの人で、子持ちの普通のサラリーマンではない。

 つまりこの方、社会や人物に関する認識もいささか幼稚もしくは乱暴である。

 と、ここまでは書いたけれど、あいにく2chのスレッドでも山田氏を鋭く斬れている方は一割に満たず、むしろ自らの日本語力と社会的認識の拙さ幼稚さを露呈しているというのが痛いですね。

 それだけ日本語って難しいんでしょうし、2chに張り付いてカキコしている方々に社会的認識を期待してもね。

 まず長編を完結させ、自費出版で世に出そうとした一念と行動力は、賞賛すべしです。
 それから、「日本全国の鈴木さんを狙ってうんぬん」とか「レンタルチルドレン」にみるキャッチコピーとしてタイトルとして人を引きつけるアイデアもしかりです。

 それでも僕は、気持ち悪くて絶対最後まで読めないと思いますけど、RPGの戦闘メッセージみたいな会話の羅列とか、完結しないまま次々新作がならぶ巷間にあふれる携帯小説とは一線を画すどころか、レベルが違うとは思います。

 「小説家」の能力とは文章力のみにあらず。文章力が一番でもない。漫画で考えてもられば。漫画家で絵のうまい人って一握りですし、「大家」にもヘタな人の方が多いくらいじゃないでしょうかね。プロデュース能力とかアイデアとか個性が、重要な才能でしょう。

 小説の話に戻りますが、僕が最近読んでいる泉鏡花は、文章の力で、きらびやかに描かれる光景こそ魅力で、ストーリーはさして重要ではありません。でも、拙劣な文章で一世を風靡した作家も多いですよ。
 石原慎太郎もそうです。芥川賞だし、売れたし、映画にもなってます。けど太陽族の生き様なんて今わずかでも共感する人がいるとは思えません。お金持ちのおぼっちゃんが、安全圏でやんちゃしているだけです。つまり社会性においては、極めて限られた短い期間においてのみ、人心を熱狂させたに過ぎません(それが価値がないとは言いません)。文章も拙劣。

 さらに過去。私小説というものは、それ自体日本独自のもので、まさに個人的で「世に問う」ほどの価値に乏しいものが多いですが、田山花袋の「蒲団」あたり、視野のせまさもさることながら文章もひどい。でも売れました。

 今は後世に連なる一般性を持った芸術の生まれにくい世相で、音楽も、「一瞬の輝き」を得ては消えていくものが、膨大に次々に、生み出されています。
 そしてその一瞬の輝きにも、歴史に残るマスターピースに劣らぬ価値があると僕は考えます。

 で、実は山田悠介さんの作品、「それでも読むに耐えない」と僕は思ってるんですよw
 でも、好みの問題。今はなんせ、何かが流行ったらそれが権威ってことはなく、それぞれの好きなものを選んで追いかけられる時代です。ジャリタレの類だと思えばいい。ジャニーズの子らって、大半が歌ひっどいじゃないですかw 彼らの歌のヘタさ加減とか演技の大根さ加減を、皮肉りはしても本気で怒るようなことじゃないでしょう。芸事をなめてるのかとかね。
 そこらを踏まえた上で、面白おかしく叩くには、確かにネタの宝庫かもしれません山田さん。

 宮殿では朝食の時間を迎えており、メイド達が次々豪華な料理を運び出していた。それは朝食とは思えないほどの豪華さで一般市民がこの料理を見たらこれが本当に朝食か? と目を仰天させるに違いない。

 ……これから食事なのに運び出したんかい(笑)
 目を仰天させたのか、映像で見せてくれそれw


乾燥肌の人がつくった化粧品屋さん

拍手[0回]

PR
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Comment:
Pass:
トラックバック
この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック