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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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サド公爵夫人/三島由紀夫 よりショタネタ(笑)
 エロとは言えかなりの量小説書き散らしていて、僕のことを読書家と思って方もおられるかもしれませんが、「これも読んでないのか」というくらいどのジャンルにおいても読了したものはまばらで、歯抜けです。横溝正史の長短編だけは、全てが文庫化されていることもあってほぼコンプリートしたといえますが……。

 自分にとって至高の作家である三島由紀夫も、そうした例に漏れず代表作で読んでないものがかなりあります。一つにはかつて仕事が多忙になって、読書する習慣がずたずたになってしまったせいですね。体調が低下すると、また復活した習慣が壊れてしまうこともあります。最近は後者の繰り返しで、それでも集中力の持続できる間合いに、本を手に取っています。
 それで先日読了したのが、「サド公爵夫人」です。
 「春子」自作解題において、「頽唐趣味を文学的に処理する」というような狙いを彼自身が述べていますが、エロ・グロ・背徳・倒錯といった題材を、いかにアートとして再構成するかということを、彼は繰り返しやっています。要するに彼が扱う場合、言うまでもなくこれらを表現したものがポルノでないものになるわけですが……。
 だから難しいとか、肩が凝るというものでは実はなく、実際は彼は、ポルノがとらえているよりも、表現しているよりもはるかに深く「エロ・グロ・背徳・倒錯」をとらえ、その深層を知り、あまつさえ酔いしれています。
 そのため浅薄な、自分の趣味から少しでもずれたポルノ的なものより、興奮をかきたてられることもありまして……。

 この作品では、女の目から見たサド侯爵を描いているので、同性愛や少年愛の風味は希薄ですが、ここはショタサイトのブログなので、こんな一ヶ所を紹介しておきます。

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モントルイユ「アルフォンス(サド侯爵)は黒天鵞絨(ビロード)のマントを室内で羽織り、白い胸をはだけていた。その鞭の下で、丸裸の五人の娘と一人の男の子が、逃げまとっては許しを乞うていた。長い鞭が、城の古い軒端の燕のように、部屋のあちこちを飛び交わした。
(中略)
モントルイユ「侯爵は少年を鞭でおどかして、侯爵夫人の身を清めるようにいいつけた。少年はまだ背が低かったので、椅子を踏み台にしてお前の体にとりつき、……そこもかしこも……舌で清めた。清めたのは血ばかりではない」


 侯爵夫人ですが、手を吊られているのであって天井からぶら下がっているのではありません。女性よりも体格の劣る「まだ背の低い」少年というわけです。これは台詞劇の脚本なのでまあ、舞台で演じるのも大丈夫でしょうが、映像を思い浮かべるとかなり強烈です。ていうか絶対映像化できないですね。ここが文字の強みであって、三島も文字だからこうえげつない描写をあえてしているわけでしょう。
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