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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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ぼくがジローになった日
 CUTEに急造短編出せそうな運びとなりました。
 荒いですが文章はもうできています。

 実は藤々さんに思いがけず4枚もイラストを送っていただき、僕が「一番気に入りました」というイラストにはけっこうしっかりと藤々さんの中に背景があったのですよ。

 その設定をうかがって、ほぼそのまま小説化しました。それに藤々さんの絵を挿絵として使わせていただき、発行しようと思います。


僕がジローになった日


 あの日から、ぼくはジローになりました。

 首輪して、鎖で繋がれて、お庭で寝ます。

 ご主人様が、エサを持ってきてくれたり、かわいがってくれたり、遊んでくれるのを待っています。
 ご主人様が遊んでくれないときは、タローに遊んでもらうんです。あんまり勝手なことをしてあとでバレると、ご主人様にお仕置き、されちゃうけど……。

  
   1

 ぼくはもうすぐ八歳で、小学三年生です。でも学校には行かないから、学年はあんまり関係ないんです。

 ぼくには昔、お父さんがいました。一人目は、幼稚園の頃まではいました。

 いつ頃からかわからないけど、夜とか日が昇ってすぐぐらいの朝に、家のドアをドンドン叩いて、家に入ってくるとすごい大きな声で怒鳴る人が、毎日毎日来るようになって、お父さんはだんだん元気がなくなって、家に帰ってこなくなって、いつからか、いなくなってしまいました。

 お母さんはぼくを連れて引っ越しました。夜中に小さな車に、テレビと服とぼくのおもちゃと……タンスとかどうしても入らないもの全部積んで。

 引っ越した家も小さくて、狭い階段をぐるぐる四階まで昇らないといけないのでした。
 でも静かになって、お母さんは働きに出て、ぼくは昼間独りぼっちで、テレビ見て、同じおもちゃじゃもうあきちゃって、アパートの近くの小さな公園で、ブランコとか砂場を独り占めにして遊んでいました。

 「○○さんのところの子かい?」
 優しそうな、ちょっとお腹の出たおじさんだったけど、ぼくは急に声をかけられたので飛び上がりそうでした。
 「あ、はい……」
 「お母さん、何時頃帰るの? 今行ったら留守だったんだけど」
 「うち、お金もうないです……」
 おじさんは笑いました。
 「そういう用事じゃないんだ。君は幼稚園行ってないの?」
 「うん……」
 「行きたい?」
 ぼくは首を振りました。夕方の六時過ぎにお母さんは帰ると言うと、おじさんは手を振って去っていきました。


 B5で10P程度の短編なのでみなさんの予想通りの直球の展開のはずです。好きな方にはけっこうピタッときそうなできですよw

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