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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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時事ネタ:キレる子ども
 イベントの準備をしようと思っていたのだが疲れたので雑文をもう一本書いておく。

 文科省が学校現場で「キレる」子の増加要因を探るために食生活やTV視聴など生活習慣を調査する予算を組んだというニュース。

 統計学的調査をするためには、データを取る必要があるが、「キレた」こととどう結びつけるつもりなのか、激しく問い詰めたいw 心理学の場合、A条件でBとなる、と結論するためには95%以上の発現率ではじめて「有意性」の証明となる。どんなことした子をキレたと認定するんだろう。キレたこととの因果性を無視するなら、調査データ自体が役に立たない。何を改善すればいいか結論が出せないからだ。
 結局一般的に早寝早起き規則正しい食事に、テレビの見過ぎやゲームのやり過ぎを避ける、くらいの結論にしかならないのではないだろうか。

 俺も中学時代の教師には「キレた」と思われたようだ。さほど大人にとって目立つ子どもではなかった。だが友人間では親しいほど「あぶないヤツ」という認識はもたれていた。ただ俺には計算があって、なめたことをしてきたヤツをとっぱじめに死ぬほど痛めつけると、そいつもそれを見てたヤツもそれ以降一定以上俺をナメたことはしないという経験則を頭においての行動だった。従って、腕力において俺を圧倒的に凌駕する人間はそれを見抜いているから、誰にでも俺の虚勢が通用するわけではなかった。計算のあるキレかただから、人を刺したり、新聞種になるようなことはしないし、する可能性もなかった。だが俺が突然食ってかかった教師は顔色を変えて次の授業からえらくオドオドするようになったわけだが……。人間というものを知らないおぼっちゃんは教師に向いていない。

 俺が思うに「学校現場でキレる大人しい子の増加」は、むしろ学校側の問題であるように思う。一番には権威の失墜だ。総理大臣を「小泉」などと呼び捨てにする子どもがいる国はあまりない。法律やマナーも、大人自体が守らなくなってきている。要するに無条件で「偉い人」とおもわれてきた人、また「権力」の価値が揺らいでいる。警察も大企業も不正を犯す。公然と嘘をつく。金と暴力で四回戦ボーイでもチャンピオンベルトが取れる。ボクシングなんて昔は貧乏で学もない腕っ節だけが取り柄の人間の最後の夢だったはずなのに。
 むろん、昔から教師も代議士も「偉く」なかった。でも無条件で偉いと信じられていた。教師の、人格を踏みにじるような発言に子どもは耐えていた。暴力や嘘も、受け止めてきた。たまったストレスはよそで吐き出していただけだ。大人になって婦女暴行魔になった人間は、耐え続けて大人になってからキレたのかもしれない。

 大人しい子が突然、といっても、本当に突然ということは絶対にない。誰も気づかなかったことこそ問題だ。そして教師の襟首をつかむくらいの発現のしかたなら、まだ幸いだ。俺だって何度も襟首をつかまれたし、ワイシャツのボタンが飛んだし、校門で七、八人に取り囲まれたこともある。だがそこからが勝負だ。今の教師の仕事はそういうものだ。
 だがいきなり刺されたんでは元も子もない。子どもだって取り返しがつかない。しかし大半の場合そこまで追い込まれた子どもはサインを出しまくっている。教師でも学校カウンセラーでも何でもいいが、これに気づける感性の持ち主が現場にいることと。そういう人材が瑞々しい人間らしさを損なわない仕事量や環境を、彼らに与えることだ。調査に金をかける前に、月100時間を超える残業代を満額だすか、残業をゼロにできるだけの人員を現場に投入できる人件費を予算に計上しろ。それで99%のいまの学校課題は解決するのだ。

 ……うわ、シリアス。ま、たわごとですから……

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