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おもに少年愛と小説に関する雑記。エッセイとコラム
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続報 ぼくがジローになった日
 さて、本できました。
 まず表紙


 挿絵にさせていただいた藤々さんのイラストの一部を切りとって使わせていただいています。着彩は僕がしました。

 それから裏表紙のアオリがこんな感じ

あの日から、ぼくはジローになりました。

 幼稚園の頃、どうせ無理だからって心のおくにぼくがしまった夢は、広いお庭のある家で、犬を飼って、一緒に遊ぶことでした。
 お母さんが新しいお父さんと結婚して、ぼくの忘れかけていた夢はかない、ぼくは幸せな日々を過ごせるはずでした。でも、小三に上がってすぐ、僕にはまた不幸がやってきたのです――


 というわけで不幸な生い立ちの子が幸せをつかむお話です――あれ?

 余談ですが冒頭を載せた昨日のブログ記事へのコメントで「関西電力頼りになるワン!」てw
 あのCMをこの小説みたいな妄想しながら観たら確かに萌えますね。フフフ。

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ぼくがジローになった日
 CUTEに急造短編出せそうな運びとなりました。
 荒いですが文章はもうできています。

 実は藤々さんに思いがけず4枚もイラストを送っていただき、僕が「一番気に入りました」というイラストにはけっこうしっかりと藤々さんの中に背景があったのですよ。

 その設定をうかがって、ほぼそのまま小説化しました。それに藤々さんの絵を挿絵として使わせていただき、発行しようと思います。


僕がジローになった日


 あの日から、ぼくはジローになりました。

 首輪して、鎖で繋がれて、お庭で寝ます。

 ご主人様が、エサを持ってきてくれたり、かわいがってくれたり、遊んでくれるのを待っています。
 ご主人様が遊んでくれないときは、タローに遊んでもらうんです。あんまり勝手なことをしてあとでバレると、ご主人様にお仕置き、されちゃうけど……。

  
   1

 ぼくはもうすぐ八歳で、小学三年生です。でも学校には行かないから、学年はあんまり関係ないんです。

 ぼくには昔、お父さんがいました。一人目は、幼稚園の頃まではいました。

 いつ頃からかわからないけど、夜とか日が昇ってすぐぐらいの朝に、家のドアをドンドン叩いて、家に入ってくるとすごい大きな声で怒鳴る人が、毎日毎日来るようになって、お父さんはだんだん元気がなくなって、家に帰ってこなくなって、いつからか、いなくなってしまいました。

 お母さんはぼくを連れて引っ越しました。夜中に小さな車に、テレビと服とぼくのおもちゃと……タンスとかどうしても入らないもの全部積んで。

 引っ越した家も小さくて、狭い階段をぐるぐる四階まで昇らないといけないのでした。
 でも静かになって、お母さんは働きに出て、ぼくは昼間独りぼっちで、テレビ見て、同じおもちゃじゃもうあきちゃって、アパートの近くの小さな公園で、ブランコとか砂場を独り占めにして遊んでいました。

 「○○さんのところの子かい?」
 優しそうな、ちょっとお腹の出たおじさんだったけど、ぼくは急に声をかけられたので飛び上がりそうでした。
 「あ、はい……」
 「お母さん、何時頃帰るの? 今行ったら留守だったんだけど」
 「うち、お金もうないです……」
 おじさんは笑いました。
 「そういう用事じゃないんだ。君は幼稚園行ってないの?」
 「うん……」
 「行きたい?」
 ぼくは首を振りました。夕方の六時過ぎにお母さんは帰ると言うと、おじさんは手を振って去っていきました。


 B5で10P程度の短編なのでみなさんの予想通りの直球の展開のはずです。好きな方にはけっこうピタッときそうなできですよw

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体調を崩していました
 私生活上のちょっと大きな問題につき、くよくよ考え込んでいるうちにひどい落ち込みがきまして、丸三日ほど寝込んでいました。

 今日も昼まで休んでいたのですが、急遽病院に駆け込んでまた新しい薬を出してもらったのと、自分なりに今後の対策について考えた(解決はしていないが先送りできる問題も多数、あせるな、みたいな)ので、今ちょっと落ち着いています。

 で、CUTEの新刊は難しくなりました。その後の私生活の安定が何とかなれば、いつかはできるし、今は焦ってもしょうがないですし。調子が十分解決しないようならイベント自体欠席するかもしれません。元気の素をもらうために行く方がいいので、何とかしたいですけどね。大阪だから往復でくたくたにはなりませんし。

 てなわけで、体調不良をくどくど、ある程度パブリックな場所に書くのはよくないと思いつつ、突然イベント欠席して、サイトの更新もない、てのはかえってまずいので、とりあえずご報告です。

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子ども部屋デジタルノベルDSV 途中経過
 ぬおー! CUTEに間に合うか間に合わないか超微妙。あきらめるなら短編本作りたいし……。

 現時点では文章はCUTEまでに確実に仕上がるだろうなってところです。しかし絵を新たに一枚も描き下ろさない前提でも背景やトランジョンを挿入し、フラグを入れてデバッグして……とか。かなりスムーズに行ってもギリギリなんですよね……。

 で、小出しにせずにいられないので(笑)駿登場場面を少し……

五章 1

 数日が経過した。

 快感を与えたり間を取ったり、俺は少し責め手をゆるめている。と言っても、いじめすぎたと反省しているわけではない。自分が普通の世界にはない快楽を知り、それを求めていると、そんな「堕落」を、自覚させ彼の心に刻みたかった。

 一方で、俺は駿という少年のことが頭から離れなくなっていた。あの、伸介に対する心配の仕方……。

 そして俺の予感や妄念は、またも現実になろうとしていた。

 駿はあの日から、数日おきに俺の家に遊びに来るようになった(※注 詳しくは『秘密の部屋』参照)。
 彼は、自分の伸介への想いが普通でないのを自覚していた。幼い頃から彼の親友であり、保護者であったつもりの自分。思春期の門口に立ち、その想いの奥に秘められた、特殊な感情を自覚し始めた。
 俺が少年にいたずらしたりする人間であること、また法律や常識に縛られない人間であることから、誰にも相談できない自分の悩みや戸惑いと本音を、彼は少しずつ俺に打ち明けた。
 伸介の「行方不明」が、もともと深層にあった駿の伸介への愛を引きずり出した。本気で彼のことを心配しているのに、一方で伸介への性的な妄想が浮かんでしまう自分に、悩まされている。

 俺は彼を励ましながら、多少の性的なてほどきを、一回ごとに濃厚に、進めてやった(それでも、伸介にしていることに比べたらかわいいものだ。いわゆる「イタズラ」というヤツか)。

 そして彼を、伸介と一緒に飼うことができたら……と、俺は考えるようになった。

 当初はすぐに無茶が過ぎるとその発想を打ち消した。だが、何も知らない駿は少しずつ俺に依存を深め、伸介の行方不明が長引くにつれ、ますます精神的に不安定になっていった。本当の「目と鼻の先」に伸介はいたのだ。浴室、ベランダ、子ども部屋……。会わせてやるのが優しさというものではないのか?

 同じクラスから二人も子どもが行方不明になれば、かなりの騒動にはなるだろうが、自警パトロールなどしても後の祭りだ。

 駿でなくても、少年達にはうちに来ていることを誰にも言うなと言っている。少年同士では、しゃべってるやつもいるだろうが、駿は「友達にも黙っておけ」と言えば約束を違えることはない。一人で来て、秘めたる手ほどきを求めるのだから、釘を刺すまでもなく人には言うものではないだろうしな。

 決行の日には、事前に周到な準備をしなくてはならない。彼は伸介と違って体格が中学生並みだし、体力がある。

 さて、何を使おうか――

>スタンガン
>睡眠薬
>伸介のビデオ映像


 こんな感じです。スタンガンルートはもう書きましたw

[CM]北の海の幸からヘルシーフードまで「うまいっしょ!?」

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Web拍手レス
 Web拍手レス、行きますー。

>ショタ最強に萌えますっ
『土曜の夜は僕のために』感動しました!
社長がなぜずっといられない事を知っていたのかが驚きです。
これからも頑張ってくださいね☆


 モバイルからです。この作品も発表してだいぶ経ちますが、まだ新規で楽しんで下さる方がおられて、ありがたいですね。
 「社長」のディープさについては、直接の感想で言われたことがあります。特にモデルはいないんですが……。

>子供部屋楽しみにしてます!

 デジタルノベルですね。ようやくDL数でトライアル版β0.2が0.1を追い越して、600超えました。ここからは小出しにしにくいんですよね。
 ちなみに今、五章を書いています。ここからは完全書き下ろしで、駿が巻き込まれる部分です。オリジナルと重なる部分については、変化をつけることと矛盾をなくすことの両方がかなりきつかったですが、ここは書いてて楽しいですね。もうやりたい放題な感じでw CUTE間に合わなかったらごめんなさい。ある方がおっしゃっていたのですが、これはデジタルものなので、ダウンロード先行でも構わないんですよね。それだといつでも出せます。ちょっと肩の荷が軽くなったかな。

>熱いですね、感動しました!と同時に…
今の商業作品が物足りない反面、何故こんなに同人作品は面白いのか?
そんな風に思っていただけに、謎が解けてすっきりした気分です。


 イベント寸前にプロと同人について述べたブログ記事に。

 「プロ」の仕事の中でも、今最もダメなのがテレビだと思います。貧すれば鈍する、という言葉がありますが、まさにその状態です。低予算、短期でオリジナリティも中身もない番組を並べ、視聴者が離れ、スポンサーが離れ、再放送枠を増やして穴埋めをしなければならない状態。そのスポンサーも気づけばパチンコ屋とサラ金ばかり……。

 映画は、元気がいいですね。アメリカ=ハリウッドがもう何年も前に終わってるんですが、日本はアニメ以外にもいいものがけっこう出るようになってきています。
 「おくりびと」がアカデミー賞をもらったそうですが、僕はノミネートまでいった「たそがれ清兵衛」がかなり好きです。何を美と、何を真ととらえるかということにおいて、やはり日本には欧米にない独特の切り口がありますね。

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スクラッチ終えて
 一日泊まりで昼の飛行機で戻ってきたのですが、イベントはともかくその翌日が最悪でした。買い物と食べ歩きくらいできるように昼の飛行機にしたものの、疲れがどっと出て危険だったので早々に空港に行きラウンジでぐったり、チェックイン後もベンチで寝ていました。そして飛行機が揺れる揺れる。まあ空いてただけよかったですが……。ダメージ回復のため丸一日は休養の予定。

 イベントですが、会場が狭いために人が多いようには見えるものの、実際はそれほどでもなく、また何となく客層が女性向け寄りな気がしました。それと、ウチがイベント前に新刊なしを明言していたこともあり、お名前は存じないもののいつも買って下さる一般の方、またわりと近しいサークルさんも少なめでした。そういう意味ではやや寂しいイベントであったかもしれません。

 しかしながら、唯一お目当てであったサークルさんの本を買い、会場が空いてからお話をしに行って、大変実になる話をうかがうことができたんですよね。

 パロディをするにあたって、その少年キャラの絵柄が、原作のゲームではけっこうかわいく見えるにもかかわらず、そのまま描くとどうもかわいくならない。そこをすごくうまくやられてるのがすごいと思いまして、などと振ってみたら、そこは苦労しました、と、さらには、大人キャラの方の自称が「私」で、これをそのまま行くと、どうもうまくない、三分の一ぐらい描いて、止まって、悩んだ末、思い切って「僕」に変えてしまったと。そうしたら楽になったというお話です。

 これ、極めて繊細にして大胆なことです。

 漫画やアニメなどのキャラの自称は、キャラのアイデンティティを決定づける非常に重要なポイントでして、例えばドラゴンボールなら、自分を「オラ」と言わない悟空はあり得ないんですよね。
 それが、けっこうゲームをやり込んだつもりの僕が、彼の自称が変更されているのに、そのパロ漫画を読んで気づかなかったという……つまりその大ナタが成功しているということです。
 やっぱり仕上がりにプロの香りのする完成度のものを描く方は、ひと味違うと思いました。

 また某神絵師さんのところに挨拶に行って、すさまじく手の込んだブログのシリーズイラストについて、お話をしていたら「あれね、からだの線を両側から削り出すようにして描いてるの。おしりのラインがそれでもイマイチだとフォトショのツールで引っぱりだしてみたり云々」。

 あのぐらいのレベルになると、デッサンなんて、滑らかな線なんて自動的にさらさらと描けるもので、そんなに根を詰めて完成度を上げていたりとか、納得いかない線を直し直ししてるとは思ってなかったです。

 何かこう、あらためてすごいなと。これからもこの人はさらに上に行くわけだと。
 同時に、その方が神ではなく人間で、全くの別世界にいる人ではない気もしました。いや間違っても追いつけませんけどねw その人もその頃にはさらに高いところに……。

 まあそんなこんなで、社交辞令を超えて、スゴイ人達と話ができるっていうのは、やっぱ直参ならでは。売りものほとんどなしでも、収穫はたくさんありました。

 一方、前述の一般、サークルの「お仲間」の少なさはやはり寂しかったですね。
 イベント早じまいして、Fさんと飯オフしましたが、無論貴重な時間ではあったものの……気づけば僕がわりと親しくさせてもらってる方って、関西拠点の方が多い。
 そして、みんな東京に出てこなくなりました。特に一般は。だって高いし、だって大阪でも買えるし、っていうことで、当然の流れですよね。
 加えて、結婚されたり、多忙になったりで、首都圏の知人友人のイベント参加率が下がっております。今回はことの他寂しかった。

 これについては、いかんともしがたいですね。あと、5/5も心配。たぶん今回で最後です。そしてその運営も最終回にふさわしいものとはすでに言えないです。ほんと心配。

 とりあえずは、CUTEにアレを間に合わせるため、休養して明日からがんばってみたいと思います。

[CM]水で洗う空気清浄機aroboにminiタイプ誕生!

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旅立ちの前にWeb拍手レス
 さて、明日早朝、帝都に発ちます。

 Web拍手レス、わあためちゃった、気合い入れないとレスできない、と思ってしまいましたが、いっぺんんにやろうとするからいけないんですよね。

 ということでできるところまで。

>良いよ~!
 今までで一番萌えました!

 ちょこ松くんいじめ絵とマルコ君虐待(笑)絵に。

>topのマルコくんのお尻の色が萌え!
>Perfect

 トップの下半身裸(笑)マルコ君絵に。

 ということで絵にもこうしてコメントいただけるとほんと心強いです。パロを描く楽しさにも目覚めてきたんで、なるべく今後も人が描かないキャラを取り上げたいですねw まあ、自分の好みに忠実にいくと自然にそうなるんですが。

>花と蛇を彷彿させました。素晴らしい文才に感嘆いたします。
 夜想に。
 「花と蛇」寡聞にして存じませんでしたが、ネットで調べたら団鬼六の傑作SM小説だそうですね。映像化も何度もされているそうです。いやはや恐縮です。
 もちろん女性を責める内容ですが、美女を拐かして監禁調教、軸は浣腸責めみたいです。映像は興味ないですが小説はちょっと読んでみたくなりました。

 そして、個別に貼りませんが、体調不良のグチが三記事ほども続いた頃、励ましやご心配のメッセージをたくさんいただきました。本当にありがとうございますm(_ _)m


 さて、支度は済んだし、あとは今さら無理をして腰痛をぶり返させないことだけかな。釣り銭の両替は昨日気づいてあわててしにいったし……。

 新刊ありませんが、明日お会いできるみなさま、よろしくです。

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闇走る狼(その2
 結局は新刊にできなかったので、「闇走る狼」続きを載せます。と言っても途中までなんですが。サイトか本かはわかりませんが、いつか完成させます。

 それからお絵かきBBSの方に藤々さんからの頂き物をアップしています。ぜひご覧下さい。四枚の連作なので、小出しにさせていただきます(笑)


闇走る狼 続き

 うめいてみたり、縛られた手足を必死に動かしてみても、いたずらに体力を消耗するばかりと悟ったティムは、荒い息を吐きながら、蒸せる暑さに耐えていた。
 気持ちが少し落ち着いてくると、ティムは気づいた。かすかな、規則的な物音に。
 それは生き物の息づかいに相違ない。ティムは寸時怯えたが、それが人のもの違いないとすぐに気づき、闇の中、視力の回復を待ちながら、重い木箱の向こう側から聞こえる呼吸の音に、耳を傾けた。
 「誰かいるの?」
 それは子どもの声だった。か細く小さな声だった。ティムは返事をすることができないが、塞がれた口から何とか声を漏らした。
 箱の向こう側から、小さな頭がのぞいた。闇にまん丸な瞳だけが二つ光っている。コンテナの扉にはかすかに隙間がある。まだ外の陽は落ちていない。だから光は存在する。次第に少年の輪郭が、寝そべってもがくティムを見下ろす少年の顔が、ティムにしにんできるようなる。
 丸顔で、幼い顔立ち。自分より二つくらい下かな、とティムは思った。
 彼は手足を拘束されていない。口も塞がれていない。ティムは必死で、自分の手足の拘束や口のテープを剥がすように、動かぬ手足と言葉にならない声で訴えた。だが小さな少年は悲しげに首を振るばかりだった。この闇の中、ティムに見えるはずもなかったが、小さな少年の手首や足首にも縄の痕があり、その他の傷も、からだのあちこちにつけられていた。
 ティムはなおも吠えるように訴え、少年を睨み、身を捩った。
 やがてあきらめたように、身軽に箱を乗り越えた少年が、ティムの側にしゃがんで、ガムテープをゆっくりはがした。
 「あ、痛た……」
 「あ、ごめん」
 「いや……」
 ティムは頭を少し上げて、何とか笑ってみせる。
 「縄……」
 少年は首を振った。
 「何でだよ? 手足さえ自由になればこんなとこ逃げてやる」
 「外からぶっといかんぬきかかってるよ。絶対無理。でなきゃ僕が縛られてないわけないでしょ?」
 確かにその通りだった。
 「それに、逃げ損ねたら殺されるよ、たぶん」
 少年は後ろを向き、何をするのかと思ったら粗末なシャツの背中をめくったのだった。見えない尻の部分まで、縦横に、やや治りかけであるが痛々しいみみず腫れがあった。木の枝か何かで、殴られたもののようだ。
 そして、手のひらを見せると、右手の真ん中あたりに、三つの丸い瘢痕。これはタバコによるものだと、ティムにもわかった。
 痛々しさが心にしみて、腹の底に重く不快な塊ができたように感じる。
 「あいつら何だ? 俺達をどうする気なんだ?」
 少年は首を振った。はっきりとはわからないと言う意味なのか、それとも絶望的な状況である、希望がないというNOの意味なのか……。
 「夜の狼だよ」
 「狼?」
 「昔の日本では、子どもが突然いなくなると『カミカクシ』って言うんだって。神って言っても、妖怪とか天狗とか、何かの精霊のことみたいだけど。けどあいつらは、子どもをさらって、お金に換えるの。たぶんね」
 噂は、ティムの村にも届いていたが、ティムは自分にはまるで関係のないことだと思っていた。その『夜の狼』に、自分が捕まるなんて。
 「俺らがどうやって金に換わるって言うんだよ……」
 「わかんない……わかんない……こわいんだ僕……」
 少年が泣いている。自分も泣きたい。でも希望を捨てたわけじゃない。まだ何もわからないからだ。
 「ねえ、名前は?」
 「ベン……」
 「俺、ティム。泣くなよ。あいつらが『夜の狼』だったら、俺達を殺して食うわけじゃないだろ。ほんとの獣みたいにさ。それじゃ金にならないもん。だったら、まだ助かる道があるかもしれないよ」
 ベンは涙を拭いながら、うなずいた。

  †

 外の陽が落ちたのが幸い、コンテナの温度はずいぶん下がったが、日中に二人とも、かなりの水分を奪われていて、渇きに苦しんでいた。ベンがいつからコンテナに閉じこめられていたのかはわからないが、ティムより一日は長そうだった。むろんその間、食い物ものも飲み水も与えられなかったわけではあるまい。体の傷からすれば、それ以外のものもずいぶん与えられていたようだから。

 トラックが大きく振動して、二人のからだはコンテナの前方に強く引きつけられた。後ろ手に拘束されているティムは、からだを前方に一回転させるはめになる。コンテナのドアが、ぎりぎりと開き、外は闇、だが新鮮な夜気が、こもった空気を洗い、二人は深く息を吸った。


ツヤグラアイロン

ツヤグラアイロン

¥12,800(税込)

某TV通販でご存知だと思うんですけど、楽天ランキング市場でも3部門でV3達成するなど、ほんと~~っに大人気。今…

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「飛ぶちから」さんの同人誌を委託DL販売
 表題の通りです。直リンクはこちら

 ウチのアイテムと同じ決済手段がつかえ、同時決済も可能です。いわゆるワンストップではないですが、イベント前後をのぞき、ここ最近の状態ならご入金後二日以内には対応できています。

 使える決済は

・WebMoney
・PayPal(クレジットカード)
・ちょコム
・銀行振込
・ゆうちょ振替口座

 となります。

 内容について詳しくはリンク先を見ていただければと思いますが、非常にきわどい内容で、最近の風潮からおおっぴらな宣伝は憚られます。準児ポがどうこうとかいう手合いはもちろん、読者を選ぶ内容になっています。
 僕個人としては、きわどさにずきずきしながら萌える感じですね……いいですw 書きすぎるとよくないので私感はこのくらいで。

 まずはリンク先をご覧下さいませ。ってたぶん、とりきさんの「ブログ」から直行される方の方が多そうですけどw


追記:
 すでに注文を数件いただいておりますが、今日に限って異常にGmailの調子が悪い時間帯があり、返信を送るときエラーが出たりしたので、ご注文確認メールが二重送信になっている方がおられるかもしれません。失礼ながらこういう事情ですのでご容赦下さい。

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プロの厳しさ?
 ショタとは関係ない話。最近ブログも怠け気味だからぐだぐだ長文書こうかと。つまんないと思ったら途中で読むのをやめてください。

 僕は、自分が学生ぐらいから今に至るまで、
 「社会に出てないやつはだから甘い」
 みたいなことを言う自称社会人が大嫌いでした。ただのサラリーマンじゃねえか。
 もちろん、勤め人やって金を稼ぐというのは大変なことで、結婚し、子どもを作れば、もっと大きなプレッシャーを背負うことになります。
 しかし上記や、まして「学校の先生は」「公務員は」世の中を知らないとかいうバカはどうしようもありません。

 教員の厳しさは僕はよく知っています。公務員については、福祉課の友人が(要するに生活保護を止める展開で、「私たちに死ねっていうんですか?」といわれたりヤクザの不正受給者と渡り合わないといけないとか)死ぬ思いで早く異動したいってぼやいていました。

 賢い人は一を聞いて十を知るものです。サラリーマンをやって公務員や教員の世界も想像できる。かつわからない部分もあるだろうと考える。

 某京都の大企業(なんとか製作所)に非技術系で入った親父の友人は、就職して以来勤務時間の九割は将棋を指していたそうです。仕事を早く進めると、その先をやる人の迷惑だとか。残業代一円もなしで月百時間以上時間外労働していた僕は、公務員だったわけですがw

 結局、その人の頭、視野が大切で、しかし愚鈍な者も、経験がある程度知恵と視野をひらかせてくれるものだと思います。

 ちょい前に、逆パターンがあってから、そんなことを考えてたんですよね。

 「プロは厳しいものだ、同人なんて所詮遊びだ」みたいなことを、一応少しの間同人やってイベントで本を売ってた人の口から聞きました。

 ……まず、「それでお前、お金とったんだよな」というのが頭にきました。

 僕はいつも真剣ですよ。出来不出来やレベルは最終的に自分が評価するものではないですが、100%力出し切ったと言えないまでも、「これならお金もらってもいいですよね?」とおそるおそる言えるくらいにはして本は出してきました。絵もそうです。自分の小説の挿絵としてなら、内容を会場でぱっとつかんでもらうためなら、一応これでなんとか、とね。

 で、同人やってる人はほとんどみんなそうだと思います。とくに長く続いてる人には異様なまでの情熱がある。同人関係者の飲み会にも参加して、それを感じ取れる感性もなかったからそんなこと言えるんだよな、と思いました。

 ちなみにプロのほうが、作るものは不真面目になりがちです。これは近い人にプロのデザイナーなどたくさんいるので、間違ってないはずです。
 商業美術では、売れることが正義なので、「作りたいものを作る」「制約を受けずどこまでも」「自分の高みを目指す」のは極めて難しいのです。
 処女作が素晴らしくても、「以上。終わり」の作家さん多いですよ。速度、コスト、一般性。模倣の連発がつきつめたオリジナリティにまさる評価を受ける。

 ずっと真の高みを目指すことができるプロは、絵であれば一点物で勝負する画家ぐらいで、そこもわけのわからない縁故に穢されてたくさんの才能が埋もれて消えています。真の「芸術家」が育つ社会は、おそらく貴族制で、成金のパチンコ屋に支配された日本には無理な話です。

 先の人の、プロの厳しさの例。
 「一週間寝ずに書いた原稿を編集者に目の前で破られた」
 笑止千万でも言い足りない。
 三ヶ月、日付が変わるまで毎日がんばって準備した学校行事がめためたになった切なさとむなしさが想像できますか。
 先のデザイナー氏は、三日寝ずに描いた「展覧会用」の絵を、電話中の師匠にメモ帳代わりにされ破られました。

 女性作家と編集者の例は、編集者が女性作家を認めていたがゆえの愛の厳しさに思えます。

 デザイナー氏は、絵を見てもらうこともできなかったのです。

 要するにこのような苦労は「社会人」を三年から五年もやれば、誰だって一度や二度は経験しているものなのです。
 思わず、僕の口から「社会人三年やってから言えよ」というセリフがでそうになりましたが、こういう人はやってもダメでしょうね。

 創作の厳しさは、プロにも同人にもあり、おそらくプロの本当の厳しさは、自分の美的欲求と商業との兼ね合いです。漫画でいうと、荒木飛呂彦などは、素晴らしいバランス感覚だと思います。ミュージシャンで椎名林檎とか。
 それから、少し低い次元では、やはり「筆一本で食う」「筆一本で家族を支える」というプロを続けられるかどうかのプレッシャーだと思います。

 そこへいくと同人は、自己の創作への要求水準をどこまでも上げられます。時間もかかっていい。確かに厳しくなく、楽しい遊びかも知れない。

 でも、創作物への真剣さは、プロも同人もどっちみち、本人次第でしょ。高みの追求の厳しさは変わらない。

 人間もね。感性、知恵、品格などは、社会的経験がカバーしてくれる面はあっても(僕は相当波瀾万丈の人生ですよw 元が愚物でもある程度は進歩できたかな、と)、本人次第なのかなと。だから「社会人三年やってから~」は引っ込めました。

 幸も不幸も、試練も挫折も、受け止める本人次第でがらりといろどりを変えるものかな、と。

 これからも僕は他人のラベリングで人は見ないつもりです。

 ニート、引きこもり、フリーター。偉そうにしなくていいけど、たかが一種類の会社しか知らない、そんな鶏小屋の中のサラリーマンにとやかく言われることはないね。


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